UK EDISON その2

ハードコアの次のムーブメントときたらポジパンでしょう。
最初ハードコアな俺から見ると『POSITIVE PUNK』なんてネーミングがまず恥ずかしいし、バンド名もやたらSEXってついてるし、何かうさんくさいと思ってた。
だけどDOLLのポジパンレコードガイドでKILLING JOKEやBAUHOUSなんてハードコア前に好きだったバンドの影響を受けていると書いてあったので早速「御三家」から聞いてみるとこれがなかなか。Sex Gang childrenのサイケ&キワモノ感も良かったし、Southern Death Cultのパワフル&泥臭さ(ハードロックぽさ)も悪くなかったが、一番気に入ったのはThe Danse Societyでしたね。所謂「ポジパン」でイメージされるゴシック感は殆どなく、適度にダーク&クールかつダンサブルかつドラマチックな「いいポストパンク」バンドだったね。ハイスピードでダンサブルな「we're so happy」やほのかにプログレも感じさせるドラマチックな「somewhere」など名曲揃いだが、一番思い出に残っているのはこれ。
1st12inシングル「There is no shame in death」

ジャケのあまりにも暗い写真、素人臭い書体がなつかしい『ニューウェイヴ』感に溢れていて妙に気に入ってました。(自分は高校生だったんだけどね…)3曲入だったけど中の「Dolphins」という曲がライトなダークサイケってな感じで気に入ってこの曲ばっかり聞いてたな。
今思うともしポジパンを聞かなかったらネオサイケやガレージ物や60'sサイケを聞くことはなかったかも。それを思うとandi sexgang に足を向けて寝られないと思う今日この頃でした。
なんかポジパンの話をしているといろんなバンドが思い出されてくるね…また次回もポジパンでいきますよ。

UK EDISONその1(新宿)

UKハードコアと日本のインディーズで一番お世話になった店がUK EDISON。
この頃の店は万引き防止のためバッグを入り口付近の棚に置かなくては行けないというルールがあったよね。レコード時代はセンサーをつけるわけにもいかないし、独立店の輸入レコード屋は大抵同じだったはず。
PILっぽいバンドをやってた遠山君に連れてってもらったかな。丁度ハードコアを齧り始めた頃で「DOLLのレコード紹介ページで見たレコードがこんなにあるよ!」ってな感じで感動的だったな…
ゴリゴリのハードコアな店だったのに、後に日本のビジュアル系専門店になったのは本当にビックリした。まさに青春を返せという気分でした…
この頃フールズメイトも同じように突然日本のビジュアル系雑誌になった気がする。
この流れは誰かが仕掛けたものだったのでしょうか?
事情通の方教えて下さい。

それで確かこの店で最初に買ったレコードがこれ

Chaos U.K. - Burning Britain EP

UKノイズコアの第一人者。アルバムは早くてノイジーさらに適度な重量感といういい塩梅だったけど、この1stEPはアルバムよりチープな音が逆に親しみを感じさせてイイ感じでした。
しかしジャケののど仏はスゴいね!

ディスクユニオンその2(新宿)

ディスクユニオン中古盤フロアの思い出を一つ。
パンク/ニューウェイヴを聞いていると自然とノイズにも関心が湧いてくる。
ノイバウテンの国内盤が出始めた頃その流れでSPKやらTGなんかの本格的なノイズバンドも紹介されるようになり、若かったもんでエロ・グロにあふれたアートワークやインチキ臭い思想性に惹かれて少々ノイズも嗜むようになっていた。
その頃ディスクユニオン中古盤フロアのレジ中で発見したレコードがこれ。
WHITEHOUSE/ELECTOR(どこから出てたのかな?)

こいつらは黒人差別主義者で『黒人音楽の影響を受けたロックやジャズを否定するためにノイズをやってる』なんて言ってたよな。このレコードは通常店頭にある場合はチ●コがスミ塗りになってたんだけど、なぜかこの時は無修正でさらに値段が1,500円だった。(無修正ジャケは確か5,000円位したはず)…
「予算オーバーだぞ」「だけどチ●コだよ!貴重盤だよ!」 金とチ●コの間で逡巡しているうちに売れてしまった(涙)。

※この話を書こうと思ってジャケ写を探してみたら、なんと今は無修正なのね。
 こんな簡単にチ●コ写真が拝めるとはいい世の中になったものですな…

勢いでおすすめのノイズアルバムはこれ
SPK/Information Overload Unit(side effects records 1981)

精神病院で結成されたバンド(看護士と患者)。
とにかく「音で驚く」経験ができる轟音ノイズ。ある意味限界を超えた高揚感・痛快さを感じられるアルバムです。
話のネタとしてでもいいから一度聞いてみて。

ではまた。

ディスクユニオン その1(新宿)

代ゼミに通っていた浪人時代、帰り道に新宿にあったディスクユニオン
授業が午前中に終るので、代ゼミで焼ソバセットを食べてからディスクユニオンの7階中古盤フロアに直行してました。
週3回以上行ってたかな?今思うと浪人のやる事じゃないよね。お母さんすみません…
新譜フロアも初回限定おまけ付きシングルが「真っ当な」値段で売っていて(輸入版の限定シングルは結構ぼったくる店が多かった!)好印象だったけど、ディスクユニオンと言えばやっぱり中古盤だよね。
ロックのAからZまで全部のレコードをチェックするのがお約束。レコードを両手で交互に持ち上げてジャケを見てたけど、このころは凄いスピードで見てたな…邪魔者がいなければAからZまでほぼノンストップで見てたから手首も結構鍛えられたかも。
さすがに浪人生だから中古盤でもアルバムは高かったので、買ってたのはあの頃ならではの12inシングルでした。一枚800円位だったかな。
高校に入った頃からフールズメイトを読み始めて(バックナンバーも集めてた)巻末のシングルレビューで高評価のものを見つけると即買いしてた。
この頃は「泣きのネオサイケ」が流行っていて特に覚えているのはこれ、
Grown up Strange/A Wing and a Prayer(UGLY MAN 1986)

押さえ気味の序盤から徐々に盛り上がり、中盤からエンドまでは涙なしでは聞けないほどドラマチックに暴走する名曲です。
ハワイアンみたいなジャケと中身が全く釣り合ってないところがいかにもマイナーレーベルという感じでイイね。

今回このジャケ写をwebで探したらブラックのコリンが在籍してた(ライブのサポート?)そうで驚いた。
そういえば確かにugly MANからブラックのシングルも出てたよな… うーん今更ながら感慨深いね…
ついでにブラックのweaからuglyMANへの移籍(レーベル落ち)の真相を知ってる人教えてください。

ではまた…


五番街その3(池袋)

前回同様今回もガックリ話で。

これを言うと怒る人もいると思うが五番街で買ったガックリレコードのトップがこれ。

ラフィンノーズ/PUSSY FOR SALE(AAレコード1984.11)

当時日本のハードコアといえばギズムやエクスキュート、ADKみたいなハード&ヘヴィなヤツが全盛だった。
そんな時にDOLLでラフィンノーズが「関西で人気No.1!」「凄いバンド!」と非常に持ち上げられてるし、1stシングルはあっという間に売り切れで手に入らない状態だし、もう当然期待は高まるわけですよ。エクスキュートより3割凄いのでは?勝手に想像してました…
そこでアルバムが発売になるとのアナウンスがあったので即予約。1stシングルが凄い高値になっていたので、正直音楽的に外して後々高値で売れるだろう(予約特典ステッカーも付いてるし)というセコい計算もしていたのだが…
実際に聞いてみるとあまりの軽い音にホントにビックリした!「コミカルなハードコア」なんて発想が無かったし、勝手にエクスキュートの3割増しの音を期待していた訳だからそりゃもうガックリですわ。
実際の音と正反対な想像をしていた自分が悪いのだが、正直音質も良くなかったし…とにかく予想の外れっぷりの凄さで衝撃でした。

フォローする訳じゃないが85年に出たシングル「GET THE GLORY」(1stシングルの新録)は録音も良く演奏にキレがあり非常に格好良かったな。1stアルバムはコミカルな雰囲気なのにあまりにも音がショボすぎたのが不味かったのかね。

五番街その2(池袋)

五番街は国内版LPの予約特典が他店より充実していたかな。
ここで予約特典の思い出を一つ…

PIL/ラブソング・ブルーウォーター日本コロムビア1983.6)

渋谷陽一サウンドストリートで初めて1stの「attack」を聞いて興味を持ち、調べたところピストルズのボーカルと同一人物と知ってビックリ。とんでもないオリジナリティと異常なテンションの高さが本当に格好良かった。フラワーズ・オブ・ロマンスの頃なんて本当に神懸ってたよね?
そして大傑作3rdの次のアルバムが出るとの予告が店内ポスターにあり、タイトルは「COMMERCIAL ZONE」で予約特典がバッヂとのこと。
元々PILバッヂが欲しかったので即予約を入れたが発売予定が何度も延期になり、結局アルバムは発売されずこのシングルのみリリースとなってガックリ。さらに予約特典にあった「バッヂ」はもらえたが、丸いPILロゴのバッヂがもらえると思い込んでたのに特典のバッヂとして手渡されたはヤツはジョン・ライドンの顔写真の白黒コピーを缶バッジに無理矢理貼付けた何とも言えない代物でさらにガックリ。バッヂは家に帰る途中で捨てた気がする…
ジョンとキース・レヴィンが揉めて決裂したからアルバムがリリースできなくなったんだよね。だからプロモーション用の宣材も作られなくなったので予約分はレコード会社か五番街が手作りで作ったのかな?もしそこら辺の事情を知ってる人がいたら教えてください。
しかしこの件は愛していた店に裏切られた(?)初めての経験として未だに忘れられないな。

 

五番街(池袋)

思い立って1980年代のニューウェイブとパンク、そしてその頃のレコード屋について書いていてみました。東京限定ですが同じ店に通ってた人が何か思い出してもらえるといいな。


所謂ニューミュージックを聞くのが大人だぜ!と思っていた小学6年生の頃、たまにレコードを買ってもらっていた店が池袋東武デパートの9階か10階にあったこの店。
この店は当時のデパート内ショップとしては珍しく結構なスペースを輸入盤と日本の自主制作盤に割いてあったが、なんだかその一角は子供が近寄っては行けないような雰囲気だった。だってノイズ系のレコードも結構置いてあったから、ちょっと覗いてみたヤツが運の悪い事にCOME ORGANIZATIONの妊婦解剖図みたいなジャケだった(笑)なんてこともあり…小学生がそこにいると補導されるかと思ったりして。
その後高校生でニューウェイヴと和洋ハードコアパンクにハマると通学に池袋駅を利用していたこともあって、国内版LPの予約買いと日本の自主制作版を買う店として随分利用させてもらいました。特に自主制作盤は旧譜・新譜とも品揃えが充実していて「DOLL」の結構昔のバックナンバーのレコードレビュー欄に載ってたヤツまで置いてあったので重宝した店です。
【こんなのを買った】
空手バカボンバカボンのすすめ(ナゴムレコード1983.9)

生まれて初めて買った自主制作盤。全くの予備知識なしでバンド名とジャケ買いでした。最初のコントで買わなきゃ良かったと一瞬思ったがA2「おおもうけバカボン」で『今までこんな馬鹿馬鹿しい曲聞いた事ない!』という不思議な感動を覚えたもんです。まさかその後30年近くも大槻ケンヂの音楽と文章に触れ続ける事になろうとは…ジャケがまついなつき画というのも時代だね… 日本の自主制作盤を聞き始めるきっかけの一枚ですな。
AUTO-MOD/LAST PUNK HERO(テレグラフ1982.10)

タイトルからしてパンクを期待して買ったらペナペナなギターとリズムボックスという予想外の音でがっかりした記憶が。しかし聞くたびにジュネさんのねちっこいボーカルとリズムボックスのニューウェーヴ感に馴染んできてよく聞きました。歌詞が実にロックな感じでこのシングルからは後のポジパン展開はちょっと意外。